道具

電圧降下の計算ツール|単相・三相の電圧降下と電線の太さの目安

更新日: 2026-10-07

約6分で読めます出典を記事の最後に明記

計算する

配電方式・電圧・負荷・こう長・電線を入れると、電圧降下と受電端の電圧の目安を計算します。入力した値はサーバーに送らず、お使いのブラウザの中だけで計算します。

計算の結果は目安です。設計や施工の最終的な判断は、資格を持つ人が、法令・規程・メーカーの資料で確かめて行ってください。

計算の式

電圧降下 e(V)は、次の式で計算しています。

e = k × I × L ÷ 1000 × (R cosθ + X sinθ)

  • I: 負荷の電流(A)。容量(kW)から求める場合は、単相2線式は 容量÷(電圧×力率)、三相3線式は 容量÷(√3×線間の電圧×力率) です
  • L: こう長(電線の片道の長さ。m)
  • R・X: 電線1本の、1 km あたりの抵抗とリアクタンス(Ω/km)
  • cosθ: 負荷の力率。sinθ = √(1 − cos²θ)
  • k: 配電方式で決まる係数
配電方式 k 率を計算する電圧
単相2線式 2 線間の電圧
単相3線式(平衡した負荷) 1 線と中性線の間の電圧
三相3線式(平衡した負荷) √3 線間の電圧
三相4線式(平衡した負荷) 1 相と中性線の間の電圧

単相2線式は、行きと帰りの2本の電線で電圧が下がるため k が 2 になります。三相3線式は線間の電圧で見るため √3 です。単相3線式と三相4線式は、負荷が平衡していれば中性線に電流が流れず、1本分の電圧降下になります。負荷が平衡していない場合は、この道具では計算できません。

電線の抵抗の値

電線を一覧から選ぶと、次の表の抵抗を使います。メーカーの仕様書に載っている、20℃ の導体抵抗です。

種類 太さ 導体抵抗(20℃・Ω/km) 出典(仕様書)
VVF 1.6mm 8.92 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-3000E(改訂日 2026年7月6日)
VVF 2.0mm 5.65 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-3000E(改訂日 2026年7月6日)
VVF 2.6mm 3.35 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-3000E(改訂日 2026年7月6日)
VVF 5.5mm² 3.33 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-3000E(改訂日 2026年7月6日)
CVT 8mm² 2.36 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 14mm² 1.34 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 22mm² 0.849 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 38mm² 0.491 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 60mm² 0.311 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 100mm² 0.187 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 150mm² 0.124 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 200mm² 0.0933 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 250mm² 0.0754 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 325mm² 0.0579 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
CVT 400mm² 0.0471 住電HSTケーブル株式会社 HST-SS30-2000C(改訂日 2025年6月16日)
  • 表にない電線は「抵抗を自分で入れる」を選び、メーカーの資料の値を入れてください
  • 仕様書にはリアクタンスが載っていないため、一覧から選んだ場合のリアクタンスは空欄(0)です。太いケーブルや力率の低い負荷では、リアクタンスの影響が大きくなります。メーカーの技術資料の値を入れてください
  • 電線の温度が上がると抵抗が大きくなり、電圧降下も大きくなります。20℃ の値で計算した結果は、実際より小さめに出ることがあります

許容する降下率について

どこまでの電圧降下を許容するかの目安は、民間の規格である内線規程(JEAC 8001)の電圧降下の節にあります。このサイトでは規程の本文や表を載せていないため、許容する降下率は、規程や設計の条件を確かめたうえで入れてください。空欄のままなら判定はしません。

参考として、電気を供給する側が守る電圧の範囲は、電気事業法施行規則第38条で、標準電圧100ボルトでは101ボルトの上下6ボルト、200ボルトでは202ボルトの上下20ボルトを超えない値と定められています。

この道具の範囲

  • 低圧(交流600ボルト以下)の配線が対象です。低圧の範囲は、電気設備に関する技術基準を定める省令第2条によります
  • 銅の導体の電線を想定しています。アルミの導体は、抵抗を自分で入れてください
  • 電線の太さを提案するのは、許容する降下率を入れ、一覧の電線を選んだときだけです。許容電流や遮断器との組み合わせは別に確かめてください

計算の確かめ方

第二種電気工事士試験 令和8年度上期の学科試験 問6(こう長12 m、1,600 W の抵抗負荷、負荷の電圧100 V、電線の抵抗は1,000 m あたり5.0 Ω)を、単相2線式・電流16 A・抵抗を自分で入れる(5.0 Ω/km)で計算すると 1.92 V になり、公表の正答(ロ 2 V)と一致します。このほか、係数・力率・範囲外の入力の扱いを自動のテストで確かめています。

出典