電験三種・電気主任技術者の年収|公的統計で見る近い職種の数字と、働き方ごとの違い
電験三種(第三種電気主任技術者)の年収について、国の統計には電気主任技術者だけを集計した数字がありません。この記事では、近い職種である「発電員・変電員」と「電気・電子・電気通信技術者」の数字を、賃金構造基本統計調査(2025年)の原表から転記して整理します。発電員・変電員の年収の試算は707万円でした。
この記事の要点
- 電気主任技術者の資格だけで集計した公的な年収の統計はありません
- 近い職種の年収の試算は、発電員・変電員が707万円、電気・電子・電気通信技術者が704万円です
- 発電員・変電員は、従業員1,000人以上の企業では772万円でした
ほかの要点(1)
- 年収は、保安協会・保安法人・自社の設備管理・独立(電気管理技術者)など、働き方によって大きく変わります
電気主任技術者とはどんな仕事か
電気事業法は、高圧・特別高圧で受電するビルや工場などの電気設備の設置者に、原則として事業場ごとに電気主任技術者を選任し、電気設備の工事・維持・運用の保安の監督をさせるよう義務づけています。電験三種の免状では、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)を扱えます。
統計で見る近い職種の年収
| 職種 | 年収の試算(2025年) | 前年(2024年) | 平均年齢 |
|---|---|---|---|
| 発電員・変電員 | 707万円 | 659万円 | 42.3歳 |
| 電気・電子・電気通信技術者 | 704万円 | 755万円 | 42.1歳 |
年収の試算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」で計算したもので、10人以上の事業所で働く一般労働者が対象です。どちらの職種にも、電気主任技術者の資格を持たない人や、保安以外の仕事をする人が含まれます。資格者の年収そのものではなく、近い仕事の相場として見てください。
企業規模別の年収(発電員・変電員)
| 企業規模 | 月給 | 年間賞与 | 年収の試算 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|---|
| 企業規模計(10人以上) | 46万3,700円 | 150万8,100円 | 707万円 | 42.3歳 |
| 1,000人以上 | 50万5,200円 | 165万8,000円 | 772万円 | 42.1歳 |
| 100~999人 | 38万7,700円 | 133万6,800円 | 599万円 | 41.5歳 |
| 10~99人 | 36万3,600円 | 85万3,000円 | 522万円 | 45.5歳 |
月給は、統計の「きまって支給する現金給与額」(残業代などを含む毎月の給与)です。
年齢別の年収(発電員・変電員)
| 年齢 | 月給 | 年間賞与 | 年収の試算 |
|---|---|---|---|
| 〜19歳 | 24万5,600円 | 28万7,600円 | 323万円 |
| 20〜24歳 | 30万700円 | 80万1,600円 | 441万円 |
| 25〜29歳 | 35万3,300円 | 106万1,300円 | 530万円 |
| 30〜34歳 | 42万8,900円 | 131万3,700円 | 646万円 |
| 35〜39歳 | 49万7,800円 | 167万7,300円 | 765万円 |
| 40〜44歳 | 53万7,900円 | 163万2,400円 | 809万円 |
| 45〜49歳 | 56万2,200円 | 189万1,000円 | 864万円 |
| 50〜54歳 | 60万1,500円 | 207万8,400円 | 930万円 |
| 55〜59歳 | 59万2,300円 | 211万3,500円 | 922万円 |
| 60〜64歳 | 35万2,400円 | 139万5,100円 | 562万円 |
| 65〜69歳 | 33万9,800円 | 73万9,600円 | 482万円 |
| 70歳〜 | 28万3,700円 | 48万4,900円 | 389万円 |
発電員・変電員は調査の対象となった人数が少なく、年齢別の数字は年によって大きく動くことがあります。
働き方ごとの違い
電気主任技術者の資格を生かす働き方には、主に次のものがあります。
| 働き方 | 中身 |
|---|---|
| 自社で選任される | ビル・工場・発電所などを持つ会社に勤め、その事業場の電気主任技術者になる。ビル管理会社(ビルメン)で選任される場合もある |
| 電気保安協会・保安法人に勤める | 電気主任技術者を自社で置かない設備の所有者から、保安管理業務の委託を受ける組織で働く |
| 独立する(電気管理技術者) | 個人で保安管理業務の委託を受ける。電気事業法施行規則で定める要件を満たす必要がある |
各地の電気保安協会は、採用ページで初任給や給与の条件を公表しています。勤め先を比べるときは、こうした公表の条件を直接確かめるのが確実です。
電験二種・電験一種の年収
電験二種・電験一種についても、資格ごとの公的な年収の統計はありません。扱える設備の範囲が広く(第二種は電圧17万ボルト未満、第一種はすべての事業用電気工作物)、大規模な変電所や発電所などの保安の監督にかかわる仕事につながります。
試験の合格率は電験三種の合格率の記事、試験日は電験三種の試験日の記事、電気の仕事の職種ごとの比較は電気工事士の年収の記事にまとめています。
出典
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 第1表(職種(小分類)、性別)」
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 第1表(職種(小分類)、性別)」
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 第5表(職種(小分類)、年齢階級別)」
- 一般財団法人電気技術者試験センター「電気主任技術者の資格概要」(電気主任技術者の役割・扱える範囲)
- e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」第52条(主任技術者の選任・保安管理業務の委託)
- 関東電気保安協会「採用情報」、中国電気保安協会「新卒採用 募集要項」(給与の条件の公表例)



